WEBや一般的なデザイン、写真編集などをやっていると避けては通れない風になっているツールがあります。Adobeが出しているPhotoshopとIllustratorがそれですね。
とても有名なツールで、結果的にやれることも多く、王道的なポジションにあるので、とりあえずこれを使っておけば安泰というイメージはありますが、ここにちょっとした誤解と危険性があります。
何が危険なのか。Illustratorは、世間一般に言う「道具」というイメージからはかけ離れた、とてつもなくややこしいツールであるという点です。「いやいや、簡単ですよ。」という声も聞こえてきますが、正直いいます。イラレはクッッッッッソややこしいです。簡単だと言われても、
イラストレーターのややこしさ
それはアメリカ人に「英語は簡単ですよ!ほら!」と言われているようなものでしょう。慣れたら、そりゃあ、なんでも簡単なんですけどね。で、何故ややこしいのか。
具体的な話に移ると頭がパンクするので、ちょっとここで例え話を出してみましょう。ここに釘と木の板があります。釘を板に打つには、どうすればいいでしょうか。お手元に釘を用意して考えてみましょう。
道具がない状態でならば、こぶしで打つしかありませんね。強化系の念能力者ならいけるかもしれませんが、普通の人だとこぶしを痛めてしまいます。これはいけない。
というわけで、「打つ」という事柄に特化した、ハンマー類ができるわけです。写真の女の人も心なしか笑顔。これで手を痛めることなく釘を打つことができますね。めでたしめでたし。
「道具」とは作業を簡単にするもの
これが我々の持つ、一般的な「道具」に対するイメージです。
つまり道具は、手に入れた時点で、ある事柄をよりやり易くすることができるものというイメージですね。
ところが。イラストレーターはこのイメージに反していたりします。先の釘の話をもう一度出しましょう。「釘を木の板に打つにはどうすればいいだろうか?」こういう疑問に対し、「何か打てるものがあればいいじゃないか!」という答えが出て、それを探すことにしました。それで出てくるのがこういうものです。
ででーん。概ねこんな感じなのが出てくるんですね。釘を・・・打つ?
確かにこれで釘を打つことも可能なのかもしれませんし、それ以外のことも随分とハンマーよりできるでしょう。じゃあこれで釘を打ってみようとすると、当然できない。そもそもこの機械の操作方法を知らないのだから、まずは操作から学ばなければいけません。
流石に本物は売ってないようですね。
じゃあ、見てみよう、ということで操縦席を見てみるとこんなものが。どこを押せばどういうことができるのか、そもそもアームを動かすにはどうすればいいのか、これが最初全然分からない。「たかが釘を打つ為に、なんでこんなものを触らなきゃいけないんだ・・・」そういう思いが出てきて、段々とイライラしてきて・・・。
ついにはパリピになってしまいます。「あんなクソったれな道具使うなら手で釘打ったほうがマシだぜ!FOOOOOOOOOOO!!!」とテンションはハイ。鳴り物入りで登場したイラストレーターは高い金を払わされた挙句埃をかぶるものになってしまいました。
とてもいいアルバムですよ。
作業をよりややこしく、しかしよりパワフルにする「何か」
派手な例になってしまいましたが、Adobeのツール、Photoshopとイラストレーターは本当にこんな感じで、一般的な道具のイメージからはかけ離れているんですね。
特にイラストレーターは、絵を描くのをサポートしてくれるツールでもなく、絵がより簡単に描けるツール、デザインを簡略化してくれるツールでもありません。ペンや鉛筆などとは全く違った、完全に新しい方法なのであって、習得にはアホほど時間がかかるのです。線一本引くだけ、色を塗るだけなら、圧倒的にWindowsのペイントツールを使った方がやりやすいでしょう。
というのも、イラストレーターの機能は全くといっていいほど直感的ではないのです。
何をするにしてもゴッタゴタでややこしいイメージ。その上にパスだのなんだのと訳の分からんことを言ってきます。勿論、慣れれば他のツールにはない様々なパワーが引き出せますから、結果的にポテンシャルはかなり高いのですが、やはり最初はイライラしっぱなしになると思います。絵を描くのではなく、イラストレーターで絵を作るというぐらいが妥当で、使うならばやはりそれ相応の時間投資が必要になるツールと言えます。
そういうわけで、イラストレーターは普通の「道具」ではない、というお話でした。
やはり使うからには最初に色々調べておきたいものですね。イラレを買えば①参考書を買うか、②何かをやろうとするたびにネットで調べることになるか、は確定してしまうぐらい、アホほどややこしいツールなので、使用する前に勉強をしておきたいものです。
とりあえず握手している写真でも貼ればうまく話しがまとまったように見えるかな、と思いつつ、イラレの勉強を続けるのでありました。あぁもうやだ。このツール。
じゃあ、今度は是非、貴方もイラストレーターを使いつつ、この記事を読んでください。
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